2015年8月21日金曜日

ダイナー五周年にあたって思うこと。

この秋に護国神社で開催される手創り市の選考結果発表日、ということですっかり忘れていましたが、先日8月10日より、テキーラダイナーは開店してから6回目の夏に突入致しました。

お祝いに来て頂いたり連絡を頂いたり。ありがたいことだと思っています。節目なんだからきちんとイベントとして形にしなきゃいけない、なんてお叱りを頂いたりもするのですが、そんな言葉すらも嬉しく頂戴致しました。
何故何にもやらないのかと訊かれれば、何だか気恥ずかしかったり、毎年夏は殊更忙しく営業させて頂いたり、なんて言い訳にもならないような言い訳はたくさん出てくるのですが。正直なところを言うと、私の中では初めてのお店を開けた8年前の4月27日の方が大切に思える、というのが本当のところかも知れません。
そんなセンチメンタルに過ぎる私情はさておき、然るべき期間多くの人に優しくしていただいてすごく嬉しく思っています。

お店というのは人に優しくなければならない、なんて思うのです。
でも、比較的ガサツな私にはキメ細やかな粋な計らい、みたいな事は毎日毎日は出来ない(そりゃ私にだってたまになら出来ますけど)。ならばせめて優しくないことをしないようにしよう、と。じゃあお客さんに対して一番優しくないことって何かって考えると、やっぱりお店をやめてしまうことだな、って思い至るのです 。
全てを同時にバランス良く出来る人というのがいて、私も随分そういうのに憧れた時期があったのですが、私はそうはなれなかった。あれもこれも同時に出来ないならどうしても優先順位をつけなければならない。つまり業態とかスタンスとかコンセプトとか、そういったことに重きを置きすぎて店を潰してしまうよりは、上手くいかないこと、上手く出来ないことは臨機応変に変更して、とにかく長くお店を構えていられるようにしよう。
そんな8年間だった様に思います。

「本店」から「ダイナー」に移行した直後、私の未熟さ故に店の内容を根幹から変えなければならなくなった時に離れていってしまったお客さんは少なくなかった。今でもガッカリさせて申し訳なかったと思う事があるのですが、結果それ以上のお客さんがダイナーを好いてくれた。
そうしてまた夏を迎えられた。
感謝のしようもないありがたいことだと思っています。
私にとっては、ダイナーを「五年間営業出来た」という事よりも、ダイナーの「五年と一日目の営業準備が整った」事の方にどうしても意味がある様に思えるのです。そして「営業準備を整える」には愛すべき現役スタッフや卒業スタッフの力が必要不可欠だったし、それはこれからも変わらないと思うのです。
みんな厳しい中良くやってくれてありがとう。

素行が悪いとか(私はそうは思ってません)人相が悪いとか(私はそうは思ってません)酒癖が悪いとか(反省してます)、そんな悪評ばかりの絶えない私ですが、一つこれまで通り仲良くして頂ければ、なんて思っています。

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