2012年3月2日金曜日

雨の晩には。

雨、ですね。

真冬の雨って、思いの外嫌いじゃないです。

救いがないからですかね?
救いがないと余計な言い訳しなくてすみますしね…。
色んな事に諦めがついて、静かに現実を見つめられる気がするのです…。
さて。

かつて、「ウイスキーは歯茎で飲め」、と言われた文豪がいましたが、確かに口に含んだウイスキーを前歯と唇の間に溜めてみると、歯の付け根、いわゆる歯周ポケットの辺りからキシキシと染み込んでいくのが感じられるものです。
特にこんな冷たい雨降りの日にはそれが顕著で、お酒の味、引いてはそれを感じる人間の味覚がいかに不安定で、気候や気分などの内外的要因に左右されやすいものかと思い知らされます。

ウイスキーに限らず、樽熟成を経た蒸留酒って、雨の日に、より美味しい様に思います。
原材料は何であれ、数年間、或いは十数年間木を通して呼吸を続けてきたお酒に共通の、鼻腔の奥に残る香りが、雨で濡れた樹木や土の香りと呼応するからかも知れません。
或いは熟成に耐えた酒だけが持つ、角の取れた腰の座った旨みが、雨でちょっぴりセンチメンタルになった気持ちを優しく撫でてくれるからかも…。

…。

ウイスキーは強いから苦手、と云う方も多いようですが、ロックやストレートが全てではなく、色々な飲み方があるのでご安心を。
ハイボールやお湯割りも良いですが、真冬の雨の晩に個人的にオススメなのは、オンザロックにビターズを振った角砂糖を落とす飲み方。世に云う「オールドファッションド」の柑橘を抜いたものです。
角砂糖は混ぜたり砕いたりせずに、そのまま沈めて置くのがポイント。
飲み進むほどに甘さと香りが立って、幸せな気分に誘ってくれます。

こんな晩には、是非ウイスキーを。

もちろん、テキーラダイナーにも各種ご用意ございます。

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